コンサルティング事例

コンサルティング事例
依頼者
70代女性
相談内容
都内某区に主人が家を持っている。土地は借地、建物は昭和23年に義理の父が買ったもので築年数不明。この様な物件でも売ることは可能か、可能であれば現金化したい。
依頼者の現状
自分はアパートで暮らしている、主人は寝たきりになり入院している。他に財産はない。
調査を開始
建物謄本上は被相続人が昭和23年に売買により取得した義父の所有権になっており相続の手続きを行っていない。相続人の数と借地権の評価を調査、現地に行ってみると家屋は傾き隣地の塀に当たっている、樹木は伸び放題で枝が隣地に越境している状態でした。
相続人の調査は司法書士に依頼したが相続人は30名弱、地域が北は東北地方、南は四国地方と広範囲に点在していた。いわゆる数次相続です。このように相続人が増えたのは相続登記しなかったことが原因ではあるが、依頼人の義母が亡くなった後に被相続人が再婚し長女が誕生したが亡くなってしまい遺産は後妻の親族が相続人となりその相続人も大半が死亡しているためその子や孫が相続人となっており極めて依頼者との関係は薄いものである。
方針決定

ご主人は寝たきりであるが判断能力はあるとのことで依頼者である奥さんを任意後見人にして売却を行うことにした。

後見人手続き中にご主人が亡くなり依頼人は相続人となりまた。
この物件の現況はあまりにも酷い状態で一般客へ売却するには家屋の解体、樹木の伐採等を行わなければ難しい。依頼人はそれだけの資金は持ち合わせていない。依頼者は高齢のうえ借地であるから借金は難しい、そこで建売業者に打診したところ買いたいとの返答があり価格と売却先が決まり出口がみえてきました。
依頼人の相続分は2分の1残り 2分の1を他の相続人が持ち分割で分けることになります。相続人分が1000分の1という少額の相続人もいるため全員に印鑑証明書を添付させ遺産分割協議書に署名捺印をさせることは困難と判断しました。
相続分を買い取り依頼者の単独所有にすることとした。

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参考写真(個人情報を守るため実際のものではありません)

 

問題
地主に建売業者へ売却の許可を得たいことを伝えると後日、地元の不動産業者に任せてあるのでそこで聞いてくれとの返事が届いた。依頼者と、できれば底地も買いたいとの希望もあり建売業者も同行しました。地主指定の業者と面談の結果、普通でない条件を提示された上、底地価格は借地権割合が逆転したような価格設定だったので底地の買い取りを断念、さらに名変料、承諾料、期間延長料、労務報酬などの見積もり書のようなものを見せられたことから、建売住宅の販売時にも協力要請した場合に色々な請求をされるのではということが不安になり借地権の買い取りも断念した。

解決に向けた作業

全国に広まった相続人に相続関係図と相続分譲渡証書を依頼人名義で郵送しました。関東近県は依頼人と直接訪問し説明しました。3か月ほどかけてあと3人というところまでこぎ着けましたが、1年が経過しても2名の相続人から譲渡証書を得ることができませんでした。Aさんはとにかく「関わりたくない」の一点張り訪問しても会ってくれない、郵便を出しても返事はないで、毎日のようにEメールを送り相続人は負の遺産も相続しなければならないしそ族放棄は時間の経過で難しいので、建物が崩壊し人命にかかわることが起きれば関係ないではいられない、放置することが一番のリスクであることを説明したりして、とにかくお願いしまた。

この頃、空き家が急増し社会問題になり空き家対策特別措置法が施行されました。そこで行政は解決に向けたお互い協力できることがあるのではとの思いで物件所在の区役所を訪問することにしました。区の担当者と面会したところ、近隣から安全面、衛生面、樹木の枝が越境、家屋が傾き塀に当たっているなどの苦情が殺到しているとのこと。更に前面道路にトタン塀が倒れそうだが他区の区道でその区から対処するよう言われているとのことでしたが、誰に苦情を伝えればよいのか分からず苦慮していたそうです。そこで相続の手続きができず建物の解体ができないことを伝え近隣からの苦情や倒壊の危険性などを伝える書面を依頼者と2人の相続人に郵送して欲しいと依頼しました。区として特定の個人に協力はできないが今回はこちらも助かることだからと了解してくれました。行政からの文書ですからAさんには危険な状態であることは事実であると判断、もう一人の遠方の相続人には話が全部事実であることが実証される訳です。

建売業者への売却という出口が閉ざされたので他の買い手を探すにもまた同じ問題で買い取りを断念するか、相当な値引きを要求されることは目に見えています。

借地権売買時の高額な負担額を要求したのは地主が第3者に渡れば取り戻すのは難しくなるとの考えからという分析の結果、私は地主は土地を取り戻したいのだという結論付けました。できれば地代支払い負担に耐えかねて依頼主がギブアップして、借地契約を解約するのではという期待もあるのではとの思いもあるのではないでしょうか。

問題の解決

私は、地主に買い取らせるという結論に達し地主側と交渉、建売業者より高い価格で買い取る約束を取り付けることができました。これで解決の出口は確保できました。

相続人Aは結婚し、その奥さんが私を訪ねて当社に来てくれました。たまたま私のEメールを見て更に区役所からの書面も見たそうです。今までの経過を説明し更にAさんへの譲渡額を伝えました。奥さんは私が説得しますと言って帰り、その3日後に譲渡証書が郵送されてきました。

もう一人の相続人も私の話したことが事実であることであることは認識できたはずであるが相続額が数千円であるため東京の土地の売却でこんな額はあり得ないと反論しました。最後の一人であったので譲渡代金以外に私が協力金という名目で数万円を支払い、譲渡証書を取得しました。

建物を解体し滅失登記完了後、無事に地主から売買代金を依頼人は受領することができました。

依頼者もあきらめかけたいた現金が入り、区も空き家問題が一つ解決し苦情も来なくなり、相続人も一応に譲渡代金がはいり、関係者全員が喜んでくれたので、解決に2年弱掛かりましたが満足しています。

 

 

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